中学受験を“始めなかった”理由|子どもの様子と家庭の状況から冷静に判断した話
我が家では、中学受験をするかどうか、実はしっかり検討した時期がありました。
いろいろ情報を集めたり、塾の説明会に足を運んだりもしました。
でも最終的には、「今のうちの子にとってはやらない方がいい」と判断しました。
これは“諦めた”のではなく、我が家なりに向き合って出した納得の選択です。
興味はあった。でも、それだけでは決められなかった
子ども自身、中学受験に全く興味がなかったわけではありません。
周囲に塾へ通い始めた子が増える中で、受験というものに触れる機会もありました。
でも、本人の本音としては、
「高校受験でも行きたい学校に行けるなら、それでもいいんじゃない?」
というスタンスでした。
習い事とのバランスを本人が望んだ
我が家では、すでに本気で取り組んでいる習い事があります。
中学受験の勉強は、特に5~6年生になると猛烈な時間と集中力を必要とすることがわかっていました。
「習い事をやめる or 減らす」という選択肢が出てきたとき、
子どもは**「それはちょっとイヤだな」とはっきり言いました**。
その時点で、本人の中での優先順位は見えていたのかもしれません。
親の視点:主観と仮説で考えた“今のうちの子に合う道”
親としても、中学受験にはもちろん関心がありました。
でも、冷静に子どもの様子を見ながら、いくつかの点で「今じゃないかもしれない」と感じたんです。
✅ 1. 算数への不安と中学受験算数のハードさ
- 子どもは勉強全体が苦手というわけではない
- でも、算数には苦手意識がありました
- 中学受験の算数は、学校のレベルとは桁違いで、進度も速い
今の発達段階では、そこに適応させるのは難しいかも、と感じました。
✅ 2. 自律的な勉強がまだ難しい
- 現時点では、まだまだ親の声かけや管理が必要
- 中学受験は、親子で走るマラソンのような側面も強い
でも、自分がすべてに並走するのは現実的に無理。
そこまで親のリソースを注げないと感じた時点で、「今じゃない」が選択肢に上がりました。
✅ 3. 高校受験の柔軟さに可能性を感じた
調べていく中で感じたのは、高校受験は想像以上に選択肢が豊富だということ。
- 公立・私立・都立・県立など多様なルート
- 英語や面接、内申を重視する学校もあり、得意を活かせば苦手もカバー可能
「中学受験じゃないと未来が閉ざされる」なんてことは、全然なかった。
✅ 4. 自身の経験と、“公立=劣る”という空気への違和感
都内では特に、中学受験や私立進学=正解という空気感を感じる場面があります。
一方で、「公立は荒れている」といった一面的な偏見が根強いのも事実。
でも、実際に近所の公立中学校を見ていて、そんな印象はまったくありません。
学校としてしっかり運営されており、荒れている様子もない。
僕自身は私立出身ですが、問題を起こす子は私立にも普通にいます。
大切なのは環境だけでなく、そこでどう過ごすか。
また、親が「私立=上、 公立=下」といった価値観を持っていると、
それが子どもに伝わり、無意識に“公立を見下すような感覚(貴賤意識)”が育ってしまうのではという不安もありました。
うちの子には、そんなふうに社会を見るようになってほしくない。
どんな環境でも、誠実に学ぶ姿勢を育てたい。
そう思っての選択でもありました。
結論:「やらない」という判断も、ちゃんと考えた結果なら正解
中学受験を始めることには、相応の覚悟と準備が必要です。
でも、始めないという判断にも、同じくらいの価値と納得があると思っています。
我が家は、子どもの気持ち・今の発達段階・家庭の状況をトータルで見て、
「今はやらないほうがいい」と判断しました。
次回は…
次回は、小学校時代が勝負となるスポーツなどの習い事と中学受験の両立について、
もう少し一般的な視点で考えてみたいと思います。
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