経理の仕事って、どうしても「堅い」「細かい」「NOと言う人」みたいなイメージがつきまといます。
たしかにルールを守るのが本分ですし、数字を扱う以上、正確さは最重要。だからそう見えてしまうのも無理はないんですよね。
でも実際に会社の中で「この人の経理は信頼できる」とか「相談しやすい」と言われる人には、ちゃんと共通点があります。
今回はその中でも特に大事な3つを紹介します。
① ルールの範囲内で柔軟に考えようとしてくれる
経理に相談が来る場面って、意外とグレーなものが多いです。
「この費用ってどっちに計上すべき?」「固定資産にすべき?それとも費用処理?」なんて話は日常茶飯事。
そこで「会計ルール的にダメです」の一言でシャットアウトするとどうなるか。
相談した側からすれば「もうこの人に話してもムダだな」と思われてしまいます。これ、地味に関係性を壊すきっかけになりがちです。
評価される経理は違います。
まずは聞く耳を持つ。とりあえず一緒に考える姿勢を見せる。
その上で「最終的にはルールに従う必要があるんですけど、こういう処理なら可能かも」と道筋を示せる。
もちろん最終結論はルールに従います。でも、入口から「無理」と切って捨てるか、いったん受け止めてからルールに沿った落とし所を探すかで、周囲の評価は大きく変わります。
柔軟さと誠実さ、このバランスを持っている経理は間違いなく重宝されます。
② 数字の「粒度」を使い分けられる
経理がこだわる数字の正確性。これは絶対に必要なものです。
でも現場や経営企画が欲しいのは「ざっくり感」だったりします。
たとえば「今月の売上っていくらくらい?」と聞かれて、数時間後に1円単位の精緻なデータを出しても、「いや、そこまで細かい数字は要らなかった…」となるケース、意外と多いんですよね。
このズレ、依頼する側にも問題はあります。「ざっくりでいい」と伝えれば済む話でもある。
でも、評価される経理はそこで一歩踏み込めます。
「今回は百万単位で大丈夫ですか?それとも詳細まで出した方がいいですか?」と確認してから動く。
数字の精度とスピードのバランスを状況に応じて調整できる人は、「仕事ができる」と必ず評価されます。
だって現場からすれば、「早く欲しいときは早く、大事なときは細かく」出してくれる経理が一番ありがたいですから。
数字の粒度をコントロールできるかどうか。これは単なる事務処理ではなく、“使える数字”を提供できるかどうかの分かれ目です。
③ 事業に興味を持つ
最後はこれ。
経理の中には「処理をこなすことだけが仕事」と割り切る人もいます。もちろんそれも一つのスタンス。
でも、評価される経理は共通して「事業への興味」を持っています。
売上や費用を数字として処理するだけでなく、その裏側に「どんな取引があったのか」「なぜこの数字が動いているのか」を考えられる。
そうすると、単に経理処理するだけじゃなく、「この取引、こういうリスクがありますよ」とか「こういう見せ方の方が経営層には伝わりやすいですよ」といったサポートができるようになります。
さらに言えば、事業に興味を持つ経理はキャリアの広がりも大きいです。
経営企画に進んだり、将来的にはCFOを目指したり。経理に軸足を置きつつも、ビジネスの世界で活躍できる土台ができます。
逆に事業に無関心な経理は、「経理処理はできるけど、それ以上ではない人」で終わってしまいがち。
長期的に見ても、やっぱり「事業を理解しようとする姿勢」は評価される経理に必須の要素です。
まとめ
経理という仕事は、どうしても「堅い」「細かい」という先入観を持たれがち。
でも実際に社内から信頼され、評価される経理は違います。
- 相談に柔軟に向き合い、ルールの中で落とし所を探す
- 数字の粒度を使い分け、スピードと正確性を両立させる
- 事業に興味を持ち、数字の背景を理解しようとする
この3つを意識するだけで、経理の立ち位置は大きく変わります。
ただの「裏方」から、「会社を支える頼れる存在」へ。
経理のキャリアを考える人にとっても、日々の働き方をちょっと意識するだけで、周囲からの評価も、自分の将来も、ぐっと変わっていきます。
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