「御社で何でもやらせてください」
「どこでもいいので入れてください」
僕は、転職活動でそんなスタンスを取ったことがありません。
転職というと、“企業に選ばれる側”という前提で動く人が多いけれど、
僕のスタンスはずっと一貫して、「自分が企業を選ぶ側」でした。
■ 自分が“選ぶ側”でいられた最大の理由
僕がこのスタンスを貫けた最大の理由は、たった一つ。
「現職がある」状態で転職してきたことです。
これって、実はものすごく強い。
- 無収入になる不安がない
- 社会的信用も落ちない
- 家族に余計な心配をかけない
- 「ミスマッチでもとりあえず入る」リスクを回避できる
つまり、焦らなくていい。
これは転職活動における最大の“余裕”だと思っています。
■ 転職は“評価される場”じゃなく“見極める場”
転職活動は「企業が応募者を見極める場」だと思われがちですが、
僕はずっと「こちらも企業を見極める場」だと考えていました。
- 「雰囲気は自分に合いそうか」
- 「裁量はありそうか」
- 「家庭と両立できそうか」
これらを冷静に観察し、疑問点があれば必ず面接で質問する。
現職があるという土台が、その冷静さを支えてくれていました。
■ 実際に“断った”会社の話
実は過去に、提示された年収が一番良かった会社がありました。
年収アップ幅も大きく、スペック上は申し分ない条件。
でも、面接や連絡のやり取りで感じた“違和感”が強烈でした。
- 「うちは普通の会社じゃない」「覚悟が必要」などの繰り返し
- 勤務時間や働き方に関する質問がスルーされる
- 雰囲気がピリついていて、やたらと厳しい文化をにおわせてくる
たぶん、ミスマッチを避けるために“あえて見せている”側面もあったと思います。
でも僕にははっきりわかりました。「これは入ったら、やられる」と。
すでに「逃げ転職」を経験していたこともあり、
二度と自分を見失うような転職はしたくないと思っていました。
だから、給与条件が一番良かったにも関わらず、丁重にお断りしました。
■ 条件が良くても「のってはいけないもの」はある
この経験で学んだのは、
「条件がいいから」といって飛びついてはいけないということ。
- 働き方
- 人間関係
- 価値観の相性
- 家族とのバランス
そうした要素を無視して入ってしまうと、
結果的に“また逃げたくなる転職”を繰り返すことになります。
そうならないためにも、自分の状態を冷静に分析することが必要なんです。
■ 自分なりの転職軸があるか?
僕の場合、以下が軸になっていました。
- 自分の経験・スキルが活きるか
- 自分が成長できそうか
- 家族と無理なく暮らせるか
- 心が壊れそうなサインがないか
企業から「選ばれるかどうか」よりも、
「ここに行くべきかどうか」を常に自問してきました。
■ 最後に:主導権はいつだって自分にある
転職は選び合いです。
でも、“選ばれる側”だと思い込んでしまうと、自分を失いかねない。
もし今、あなたが現職に在籍しているのなら、
それは最大のリスクヘッジです。
焦らず、自分の価値観を持って「選ぶ転職」をしてほしい。
企業に入れてもらうんじゃない。
自分の人生に必要かどうかを、見極めてください。
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