【転職シリーズ④】「経営に近い仕事」への憧れと、現実の板挟みに潰されかけた話

転職

【転職シリーズ④】経営に近づいた代償は、“心をすり減らす板挟み”だった


はじめに:「ついに事業会社へ」…でも、不安もあった

次に選んだのは、サービス業の中堅企業。
これまで金融の中で生きてきた自分にとって、初めての“事業会社”でのチャレンジでした。

転職理由はシンプルで、「もっと事業に入り込みたい」「経営に近い場所で意思を持って働きたい」。

ポジションは経営企画兼IR。いわゆる“経営中枢”ポジション。
期待とワクワクがあった一方で、「本当にやっていけるのか?」という不安も正直大きかったです。


初めての事業会社:わからないことだらけの日々

金融とは違い、事業会社では会計・経理・決算実務がより身近。
でも自分にはそれらの経験がなく、キャッチアップに必死でした。

IRとしての立場で、現場の事業理解も必要。
右も左も分からないなかで、全力で追いつこうとする日々が続きました。


プロ経営者という名の“爆弾”との遭遇

組織の中核には、**さまざまな会社を転々としてきた“いわゆるプロ経営者”**の役員が就任していました。

最初は、「豊富な経験があるなら頼りになるかも」「きっと学びがあるはず」――そう期待していました。

しかし、現実は違いました。

  • 無理難題を次々と一方的に押し付ける
  • 合理性があるならまだしも、明らかに先々破綻するようなことを強引に進めようとする
  • 事業現場の都合をまったく考慮せず、突拍子もない要求を平然と投げる

表面上は「プロらしい」「成果志向」とも見えるが、
その裏には周囲の人間性や体調、現場の現実をまったく顧みない冷酷さがありました。


サイコパス上司の登場:無理難題と人格否定の日々

実態は、完全なるサイコパス上司でした。

  • 部下の健康や家庭状況などお構いなし
  • 無理難題を次々と一方的に押しつける
  • 気に入らないとすぐ人を外そうとする、クビにしようとする
  • 指示の内容も場当たり的、整合性がない

当然、周囲の人間もどんどん疲弊していきます。
結果、上司の管轄下では離職が続出。

人が減る→残った人の負担が増す→さらに人が辞める――という悪循環。

そして、自分もその渦中に巻き込まれていきました。


板挟みの地獄:現場と上司の両方からプレッシャー

経営企画・IRというポジション上、事業部門との調整は避けられません。
でもそこに、上司の圧力が常にかかる。

  • 上司は自分の意に沿う内容を求める(事実無視でも)
  • 現場は現場で納得しない(当然)

結果、自分が板挟みになって精神的に削られていく。
**「もう、これは長く持たない」**と感じたのは、入社からわずか数ヶ月後でした。


学び①:プロ経営者は“経歴”を必ず確認すべき

表面的には「すごい経歴」でも、よく見ると転職が短期間で繰り返されている。
それは、内部で何らかの問題を起こしてきた証拠かもしれません。

特に注意すべきは:

  • 転職が2年以下で繰り返されている
  • 「成果を出す」スピードにこだわる
  • 面接でこちらの質問にまともに答えない

そういう人物は、短期成果のために強引な手段を取り、周囲に過度な負荷をかける傾向があります。


学び②:面接官の表情・雰囲気は“社内の縮図”

会社員を10年以上もやっていると、案外、自分の直感は当たるものです。
「ちょっと雰囲気が変だな」「この人たち、疲れてるな」と感じたら、
その違和感を無視せず、慎重に受け止めた方がいい。

直感は、経験に裏打ちされた“センサー”のようなもの。
転職を重ねた今、あらためて**「直感を大事にしよう」**と思っています。

今振り返ると、面接の段階で「何か違和感がある」と感じていました。

  • 面接官が全体的に疲れていた(覇気がない)
  • 雰囲気がどこかピリついていた

「この会社、何かおかしいかも」と思った直感は、実は正しかった。

労働環境の悪さは、職場で働く人の表情や言葉に必ず滲み出ます。


結果として:また1年以内での退職に至った

2回目の短期離職ということで、正直かなりの抵抗がありました。
「またすぐ辞めるのか」「経歴に傷がつくのではないか」――そんな不安もありました。

でも、ここで壊れたら意味がない。
心身を壊してまで続ける価値がある職場か?と考えたとき、答えは明確でした。

そうして、転職を決意しました。

ただし、次の転職では処遇面(給与やポジション)は下がってしまいました。
それでも、自分にとって納得できる選択を優先しました。

またしても「短期離職」にはなりましたが、ここで無理をしたら壊れていたと今でも思います。

過去の反省を活かし、見切りのタイミングは早くすることを意識していたのが唯一の救いでした。

この経験はしんどかった。でも、得たものも確かにあります。


学び③:「経営に近い仕事」は、華やかに見えて孤独で過酷

  • 経営の視点は得られる。でも、意思決定の権限は持てない
  • 現場との距離は近い。でも、現場の信頼を得るのも大変
  • 板挟みで、自分の存在意義が見えなくなることもある

この仕事が合う人もいると思います。
でも、私は「もっと事業の中に入って、現場で汗をかく側」に行きたいと思った。


次回予告:転職シリーズ⑤「やっと見えた、自分が働きたい場所」へ

次は、ようやく自分の「やりたい仕事」に近づいていく話。
企画職というポジションで、何が見えてきたのか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました