【転職シリーズ③】安定と違和感のはざまで:再び金融へ、でも心は動かなかった
はじめに:「あれ、これでいいんだっけ?」という静かな違和感
激務だったコンサルを辞め、転職先に選んだのは再び金融業界。
前職がハードすぎたこともあり、環境は「とてもまとも」に感じました。
けれど、働きながら心のどこかに残っていたのは――
「あれ、なんかまた同じパターンかも?」という、静かな違和感。
転職3回目。環境としては安定していたけれど、内面ではまた別の不満が芽生え始めていた時期の話です。
再び金融へ:安定した環境で“リハビリ”ができた
在籍していたのは、大手金融グループの中核会社。
法人顧客への提案営業や資金運用支援など、業務内容も手に馴染むものでした。
コンサル時代のような異常な長時間労働もなく、働く時間、職場の人間関係、業務量――
どれをとっても「常識的」。精神的なリハビリには最適でした。
また、小規模なチーム(部下2〜3人)を持ち、プレイングマネージャー的な役割も担当。
一度リズムを整え直す、ちょうど良い職場だったのは間違いありません。
さらに、短期間ではありながらもコンサルでの経験がしっかり評価されたのは印象的でした。
- 通常の職員では経験できないようなプロジェクトに携わっていたこと
- ストレス耐性やプレッシャー下での思考・対応力
そういった部分が評価され、業務でも高く評価され、昇格も経験しました。
コンサルで鍛えられたからこそ、ひと皮むけて“より強くなった”と感じる場面も多かった。
この職場では、居心地のよさすら感じていたのも事実です。
それでも残っていた「キャリアの違和感」
働きやすさに救われつつも、少しずつ感じ始めたのは、
**「自分のキャリアがまた“受け身”になってきている」**という感覚でした。
- 人事異動や昇格は、基本的に上司と人事の判断次第
- チャレンジしたい仕事があっても、“割り当てられるのを待つ”のが前提
これはまさに、新卒で入った銀行時代と同じ構造。
「またここに戻ってしまったのかも」と感じた瞬間でした。
さらに大きかったのは、**個人としての“インパクトの無さ”**です。
金融機関は基本的に大企業で、業務も分業的。
一つひとつの仕事は大きくても、組織全体に対して自分が与える影響が見えにくい。
**「自分がいても、いなくても、あまり変わらないのでは」**という無力感が、じわじわと広がっていきました。
そしてもうひとつ――
「このままここにいていいのか?」という思いが、日に日に大きくなっていったのです。
「事業に入り込みたい」という想いが強くなる
業務そのものに大きな不満があったわけではありません。
ただ、だんだんと**「もっと意思をもって仕事をしたい」**という思いが強くなっていきました。
- 経営に近いところで考えたい
- 自分の意見や判断が、事業に直接反映されるような環境で働きたい
- 与えられた役割をこなすだけでは物足りない
そんな欲求が、日々の仕事の中で育っていきました。
「このままここに10年いて、何が残るだろう?」
ふとしたタイミングでそう感じたとき、またキャリアを動かす決意が生まれました。
3回目の転職を決意。「今度こそ、自分の意思で」
今度は、「辞めたい」ではなく「行きたい」で考えた転職。
“事業側で働く”という軸を持って、情報収集と対話を丁寧に重ねました。
もちろん、それでも理想と現実のギャップはまた訪れるのですが――
それは次回、転職シリーズ④で触れたいと思います。
まとめ:「“安定”の中の違和感」も無視しない
今回の転職先は、明らかに「悪い職場」ではありませんでした。
むしろ「良い環境」と言っていいと思います。
でも、「不満がない」ことと「納得している」ことは違う。
表面的には安定していても、内面の違和感は無視できなかった。
キャリアを“整える”フェーズがあるなら、そこから“再構築する”フェーズもある。
そのスタート地点に、自分は立っていたのだと思います。
次回予告:転職シリーズ④「事業会社へ。経営企画と“現実”」へ
次は、事業会社の経営企画・IRポジションに転職したときの話。
「経営に近い仕事」は、理想とは少し違う現実も含んでいました。
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