「逃げ転職」と「前進の転職」
これまで私は5回の転職を経験してきました。
そのうち2回は、どう振り返っても「逃げ転職」だったと思います。
どちらもメンタルが限界に達し、心身が壊れかけていた時期。
朝起きても動悸が止まらず、夜は眠れない。
そのまま続けていたら、本当に取り返しがつかなくなる――そう直感できたから、辞めるしかなかったのです。
正直、キャリアを冷静に考えた上での判断ではありません。
ただ、あのまま耐え続けるよりは「逃げる」という選択をしたことで、自分を守れたのも事実です。
今振り返っても、必要な逃げだったと思っています。
逃げなかった3回の転職
一方で、残りの3回は「逃げ」ではありませんでした。
むしろ「このままではキャリアが閉じてしまう」という危機感から、前向きに選んだ転職です。
例えば、大企業にいた頃。
仕事は安定していて待遇も悪くない。
でも、与えられた範囲の仕事だけを淡々とこなす日々に、このままでは「経営全体を見る力」が育たないと強い不安を覚えました。
大企業と中堅企業どちらがいい?キャリアの分かれ道 でも書きましたが、組織の大きさによってキャリアの広がり方は大きく違うのです。
また別の会社では、仕事内容そのものにはやりがいがあったものの、将来的にやりたい領域(経営企画やファイナンスの中枢)に近づくイメージが描けなかった。
「居心地は悪くない、でもこのままでは成長できない」
そう思ったとき、自分の中に「ここで動かないと後悔する」という声が湧き上がってきました。
この3回は、世間から見れば「せっかく安定しているのに」「もったいない」と言われる決断だったかもしれません。
でも私にとっては、未来の自分を信じるための前進の転職でした。
「逃げ」と「前進」は両立する
よく「逃げ転職は良くない」「前向きでない転職は評価されない」といった意見を耳にします。
確かに、ただの気分や人間関係の不満だけで辞めるのはリスクが大きいでしょう。
でも実際に経験したからこそ思うのは、逃げと前進はどちらもあっていいということ。
- 健康や命を守るために「逃げる」決断
- キャリアや成長のために「挑戦する」決断
どちらも私にとっては必要な経験でした。
むしろ「逃げた」からこそ、自分の限界や弱さを知ることができ、
「前進」したからこそ、自分がどんな仕事をしたいかがクリアになっていったのです。
まとめ:大事なのは「その後」
転職の動機が逃げであれ、挑戦であれ、結局大事なのはその後をどう生き直すかだと思います。
逃げ転職の2回も、あの判断があったから今ここに立っていられる。
前向きに挑戦した3回も、自分のキャリアを大きく広げるきっかけになった。
だから今迷っている人に伝えたいのは、
「逃げてもいい。でも逃げっぱなしではなく、その後にどう立て直すかが大事」
「前進の転職は怖い。でも未来を信じて飛び込めば、自分の可能性を広げられる」
そうやって積み重ねていった5回の転職が、私のキャリアを形づくっています。
逃げと挑戦の両方を経験したからこそ、自信をもってそう言えるのです。
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