「次の転職」を前提にしておくべき理由
転職活動をしていると、「次は長く働きたい」とか「もう転職は最後にしたい」なんて言葉を、よく耳にする。
でも、現実には一度転職した人は、その後も転職を繰り返すケースが多い。いわゆる“転職慣れ”するというか、転職という選択肢が日常に入り込んでくる。
そして、転職が2回、3回…と続いていく中で問われるのが、「あなたのキャリアに一貫性はあるのか?」という問いだ。
だからこそ、今転職している人も、まだ先のことだと思っている人も、「キャリアストーリーをどう語れるか」を常に考えておいた方がいい。
「なんでこの転職したの?」に詰まると危ない
面接の場では、職務経歴書に書かれている事実以上に、「なぜその選択をしたのか」が問われる。
特に、以下のような転職は質問されやすい:
- 短期離職(1年未満など)
- 異業種・異職種への転職
- 前職よりも役職が下がっている転職
- ステップアップ感がない転職
どれも、ちゃんと説明できれば問題ない。けれど、「なんとなく違和感があって…」とか「勢いで辞めちゃって…」みたいな話になると、面接官からの印象は一気に悪くなる。
経歴に“ストーリー”がない人は、リスクに見える。
逆に言えば、ちゃんと話せるストーリーがある人は、たとえ遠回りに見える経歴でも説得力が出てくる。
お金だけで飛びつくと、後で説明がつかなくなる
転職理由として「年収が上がるから」というのは正直な動機だけど、お金だけで飛びつくと、キャリア全体として説明がつきにくくなることがある。
待遇が良くても、仕事内容やカルチャーが合わなければ長続きしないし、結局短期離職になってしまう可能性も。
面接官から見ても、「なぜここを選んだのか」という部分に納得感がなければ、不信感を持たれてしまう。
キャリアは“今”ではなく“未来”から逆算すべき
僕自身、これまでに何度か転職を経験してきた。
その中には、「この選択で良かったのか…?」と自問するような転職もあるし、「どう説明しよう…」と面接で冷や汗をかいたこともある。
でも、少しずつわかってきたのは、「キャリアは、今この瞬間だけで判断すべきじゃない」ってこと。
むしろ、「次にどうつなげるか」「5年後、10年後にこの選択がどう意味づけできるか」を考えながら、今を選ぶ方が納得感がある。
「悪印象を与えそうな転職」こそ、正直に語る
たとえば、上司と折り合いが悪かったとか、職場の人間関係がきつかったとか。
そんな理由での転職は、言いにくいかもしれない。
でも、無理にきれいな言葉でごまかすよりも、「そのときどう感じて、どう行動したのか」「その状況を変えるためにを素直に話したほうが伝わることも多い。
面接官も人間なので、感情的な動機そのものがダメだとは思わない。
むしろ、「その経験から何を学んだか」「次はどうしたいか」に言及すれば、誠実さが伝わる。
面接は“あなたの物語”を話す場でもある
面接って、スキルや実績を問われる場でもあるけど、同時に“あなたという人間の物語”を聞かれる場でもある。
どんな背景があって、何を考え、どんな選択をしてきたのか。
その選択が、納得できるか、未来につながっているか。
その物語に説得力がある人は、たとえすごい経歴じゃなくても採用されることがあるし、逆に実績があっても話に違和感があると落とされることもある。
最後に:ストーリーは“後付け”でもいい
ちなみに、キャリアストーリーって、完璧に計算して作らなきゃいけないものじゃない。
あとから振り返って、「こうつなげて話そう」と整えていくこともできる。
重要なのは、“つなげようとする意志”があるかどうか。
それさえあれば、過去の選択にも意味が生まれるし、面接官も納得してくれる。
転職は「点」で終わらせず、「線」でつなげていこう。
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