「逃げるように見える転職」が、僕の人生を守る選択だった

転職

転職活動をしていたとき、あるエージェントに言われた一言。

「部下を置いて逃げるんですか?
そんな人だと思われますよ」

こういうことを、知人でも、同僚でもなく、
転職をサポートするはずの人から言われるとは思っていなかった。
しかも、わりと本気のトーンだった。


経営企画という立場、そして異常な日常

当時、僕は事業会社の経営企画にいて、管理職として部下が数人いた。

業務は多岐にわたった。

  • 予算編成
  • 経営管理資料の作成
  • IR対応
  • 取締役会等会議体の事務局
  • 子会社とのやりとりや決算取りまとめ

さらに、その他特定の部署に落ちないものは受け取ったりで、ほぼ何でも屋だった。

未経験で経営企画だったので、キャッチアップに加え、仕事の量も大変だった。
しかし、それ以上にきつかったのは、上司との関係だった。

  • メンバーの都合などお構いなしの、強引な仕事の進め方
  • うまくいかないことが明らかなのに、無理やりスピードをもって進めさせる
  • ほぼ止まらない土日深夜の業務指示

こうした日々が、ジワジワと心を削っていった。

※この時期の状況については、過去記事でも書いています。
👉 板挟みになって壊れかけた話


「逃げ」かもしれない。でも…

当時、僕の中にも迷いがあった。

  • このまま続けても、たぶん心身がもたない
  • でも、部下を残して辞めるのは申し訳ない
  • 組織を途中で投げ出すように見えるんじゃないか

そんな中で言われた

「逃げるんですか?」
という言葉は、かなり効いた。


自分を壊してまで続けるべきか

実際、当時は朝に動悸・吐き気がすることもあったし、
夜はうまく眠れない日が続いていた。緊張が続いているのか、夜中に目が覚めてしまう。
週末、家族で出かけている間に、スマホに上司からのメールの通知が表示されるだけで、動悸がしたこともある。「週明け、これ出てくるんだよね?」土曜日に連絡が入り、土日でなんとか片付ける週末が続いた。当然、家族との予定もキャンセルせざるを得ないこともあった。

そんな状態で働き続けることに、意味があるのだろうか。
もしも、心身を壊してしまったら、
家族を守ることすらできなくなる


決断、そして転職後に思ったこと

最終的に、僕は転職を決断した。

驚いたのは、面接官の反応だった。

「部下を置いて逃げたんですね」なんてことを言われたことは一度もなかった。

むしろ、

「それは大変な環境でしたね」
「その状況でよく耐えましたね」
「うちはそんなひどくないから大丈夫ですよ。大事な取締役会の前とかは多少連絡とか作業は入るかもしれませんが」
と、理解を示してくれる人がほとんどだった。


自分の人生を守る決断をしていい

責任感は大切だ。
でも、過剰な責任感は、自分を壊すこともある

そして、壊れてしまったあとに
「責任を取ってくれる人」「カバーしてくれる人」は、いない。


最後に

もし今、同じように悩んでいる人がいたら伝えたい。

会社は、壊れたあなたの代わりを探す。
でも、あなたの人生の代わりはどこにもない。

異常な環境から離れることは、**「逃げ」ではなく「選択」**だ。
それは、誰に否定されるものでもないと思う。

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