はじめに
転職面接では、「何を聞かれるのか分からず不安」という声をよく聞きます。
しかし実際には、面接で聞かれる質問の大半はある程度パターン化されており、しっかり準備しておけば落ち着いて対応できます。
この記事では、企業側の視点も踏まえて、転職面接でよくある質問とその意図、答え方のコツや例文を紹介します。
① 自己理解・自己PRに関する質問
■ あなたの強み・弱みを教えてください
強みは、できれば実績やエピソードと結びつけて伝えましょう。
例:私の強みは「コミュニケーション能力」です。部署内だけでなく、他部署や年齢・性別問わずさまざまな方と積極的に雑談などを通じてつながるようにしています。こうした関係性は業務の円滑な推進や情報収集、またプロジェクトや困ったときに力を貸してもらえる基盤になります。
弱みは、素直に伝えつつ改善している姿勢を見せるのがポイントです。
例:弱みは「人で抱え込みがちなところ」です。コミュニケーション能力がある分、相談を受けたり依頼されることが多く、自分で何でもやろうとしてしまいがちです。その結果、常に余裕がなくなってしまい、冷静に物事を考える時間が減ってしまうことがあります。今後はタスクの優先順位を意識し、必要に応じて周囲に協力を求めることを意識しています。
② 成果・失敗・エピソードに関する質問
■ これまでの実績・成果を教えてください
数値や「Before→After」で説明すると伝わりやすくなります。
例:予算達成率が前年80%→今年は95%まで向上。顧客フォロー管理表を作成し、顧客フォロー体制を整備したことが寄与しました。
■ 失敗経験を教えてください
反省 → 改善 → 学び のストーリーで構成するのが基本です。
例:社内のプロジェクトで遅延を発生させてしまったことがありました。スケジュールもしっかり作り、関係者にメールで定期的にリマインドし、特に遅れそうとの返信もなかったため、問題なく進められているものと考えていました。しかし、実際にはどの担当者も他の業務との兼ね合いで予定から遅れ始めていました。これはリマインドメールのみに頼ったのが問題で、こうした進捗管理には、日ごろから足を運んで対面で状況を確認すべきだと感じました。対面であれば困ったことがあればそれにも対応することが可能でした。この経験から、それ以来、要所要所で対面コミュニケーションを重視して動くようになりました。
③ 価値観・働き方に関する質問
■ ワークライフバランスは重視しますか?
「まったり働きたい」と受け取られないよう注意。健康や家族のために一定の時間管理は意識しつつ、業務への意欲もセットで伝えます。
例:家族との時間も大切にしたいと考えていますが、繁忙期には柔軟に対応できる体制で臨んでいます。
■ どんな働き方を大切にしていますか?
例:お互い様の精神のもと、人に助けを求めやすい環境、休みを取りやすい雰囲気をつくるよう心がけています。
④ 企業・業界に対する理解を問う質問
■ この会社をどう思いますか?課題は何だと思いますか?
情報収集の深さが問われる質問です。企業HP・IR資料・OpenWorkのような口コミも参考にしつつ、推測の域を出ない前提で課題感を伝えましょう。
例:HPやIR情報を拝見し、強みは明確だと感じる一方で、バックオフィス体制の整備は課題かもしれないと感じました。自分のこれまでの経験が活かせる領域だと思っています。
⑤ 職務・スキル確認の質問
■ ●●の経験はありますか?
完全一致する経験がない場合でも、「近い経験」と「今後の意欲」で前向きに補います。
例:直接の経験はありませんが、○○業務で類似の対応をしており、基本的な考え方は理解しています。早期にキャッチアップ可能と考えています。
⑥ チーム適応力を問う質問
■ 年上の部下がいますが大丈夫ですか?
チームワークとリスペクトの姿勢が重要です。
例:年齢に関係なく、お互いの強みを活かしてチームで成果を出すことが重要だと考えています。年上の方と協働した経験も多く、コミュニケーションを丁寧に取りながら進めています。
⑦ その他よくある質問
- 転職理由(前向きな理由をベースに。ネガティブ要因も素直に伝える)
- 今後のキャリアビジョン(5年後、10年後の展望)
- なぜこの業界・会社か(志望動機とセットで)
おわりに
たくさん面接をしてきた中での実感として、「想定外の質問」は実はあまり多くありません。
企業が聞きたいのは、あなたがどんな人で、どう貢献してくれそうか。その材料となるのが、こうした“定番質問”です。
準備すれば必ず答えられますし、それ自体が自己理解や企業理解を深めるきっかけにもなります。
次回は、「逆質問」について書きたいと思います。
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