はじめに
転職面接で必ず最初に聞かれる質問――それが「これまでのご経歴について簡単に教えてください」です。
この”自己紹介”こそが、面接官に与える第一印象を大きく左右します。単なる職歴の読み上げではなく、限られた時間で自分のキャリアを的確に伝えるプレゼンです。
この記事では、面接の冒頭で聞かれる自己紹介をどう構成し、どう準備すべきかを具体的に解説します。
自己紹介で押さえるべき5つのポイント
- 話す時間は3分以内を意識する
→ 長すぎず、短すぎず、テンポよく話すことが大切
→後で質問されることを想定し、実績(数字)については話す必要なし。何をしたか程度でok。
話過ぎて長時間になることの方がマイナスになる。 - キャリアの流れにストーリー性を持たせる
→ バラバラに見える経歴も、軸や意図をもって語る - 直近の職務経験は厚めに説明する
→ 応募ポジションとの関連性がある場合は特に重要 - 転職理由も簡潔に添える
→ 後の深掘りに備えて、違和感なく触れておく - ネガティブな理由も前向きに正直に話す
→ 会社のせいにせず、事実を冷静に伝える姿勢が好印象
実例:自己紹介のイメージ
※以下は一例であり、事実ではありません。
「私はこれまで、管理部門を中心にキャリアを積んできました。最初は銀行で財務やファイナンスの基礎を学びましたが、事業の現場に携わりたいと思い、事業会社へ転職しました。
その後、経理・財務業務を通じて数字に強くなりましたが、経営企画部門の仕事に触れる中で、数字を作る側よりも、数字で会社を動かす仕事に興味を持ち、再び転職を決意しました。
前職の経営企画では、予算作成や会議体運営などやりがいも大きかった反面、長時間労働が常態化し、体調にも影響が出てきたため、やむを得ず転職を決断しました。
上司や人事にも相談しましたが、改善は見込めず、このままでは家庭生活にも支障が出ると判断し、やむなく転職を決意しました。
今回のポジションは経営企画に加えて総務などの幅広い業務にも関われる点が、将来のキャリアにも合致しており、応募させていただいた次第です。」
ワンポイント:辞めた理由を話す時の工夫
「恒常的な長時間残業で体調を崩した」などネガティブな理由でも、事実を落ち着いて伝えれば問題ありません。
重要なのは「会社のせいにしない」「改善のために自分で行動した(例:上司や人事に相談した)」ことを織り込むこと。これができていれば、むしろ誠実さや主体性が伝わります。
おわりに
自己紹介は、職務経歴書の朗読ではなく、あなた自身のプレゼンテーションです。特に面接官が忙しく、書類に目を通すのが直前というケースも少なくありません。
だからこそ、わかりやすく、簡潔に、必要な情報を網羅する力が重要です。それはまさに、ビジネスにおける資料作成力・伝達力とも直結します。
自己紹介が決まれば、その後の面接もスムーズに運びます。ぜひ準備を怠らず、面接官に「話がわかりやすい」「この人と働きたい」と思わせる第一歩を踏み出しましょう。
次回は、同じく必ず聞かれる「志望動機」について解説します。
コメント