はじめに
転職活動で最初に向き合うのが、「応募書類」です。
でも、履歴書や職務経歴書って、何をどこまで書けばいいのか、正直よくわからない。
初めての時は僕もそうでした。
ただ、自分自身の転職経験に加えて、新卒・中途採用の面接官として採用側にいたこともあるので、書類で見ているポイントはだいたいわかっているつもりです。
今回は、「履歴書・職務経歴書の作り方」だけでなく、**採用担当は何を見ているのか?**という視点も交えて、リアルな転職書類の考え方を整理してみたいと思います。
応募書類は「最初にしっかり作る」が鉄則
僕は転職活動において、履歴書も職務経歴書もPC作成が基本です。
最初にしっかり作り込み、企業ごとに必要に応じて微修正する方式。
当然ですが、以下のような“うっかりミス”は絶対NGです。
- 前に応募した会社名が残っている(志望動機、通勤時間など)
- 誤字脱字、数字の整合性がとれていない
- ファイル名が「職務経歴書_最新版」などのままになっている(→必ず社名を入れる)
書類からもその人の仕事の仕方が見えてくるため、
こうした基本的な部分が丁寧に作られていないと、それだけで「雑な人」という印象になります。
履歴書:実は“身だしなみ”に近い
- 基本はPC作成。手書きで差がつく時代ではない(むしろ今の時代違和感あるくらい?)
- 写真は駅などにある証明写真機で撮ってOK。ただし**スーツ+清潔感ある写り+軽く美肌加工(笑、やりすぎると違和感)**がおすすめ
- 私服やTシャツ姿、背景に洗濯物…などはNG(実際にあります)
- 学歴・職歴は省略せず、正しく記載。正確性重視で、何かあまり見せたくないことがあっても嘘は書かない。
- 履歴書は「見られる書類」ではあるけれど、勝負する書類ではない。
- そのぶん、ミスなく仕上げることが大前提です。
職務経歴書:ここが本丸
✔ 職務経歴書は“2~3枚で収める”が理想
中年層になると、どうしても経歴が長くなりがちです。
僕自身も油断すると4ページ以上になりそうでしたが、理想は2枚、多くて3枚。
採用担当が読みやすいように、要点を絞る意識が必要です。
特に10年以上前のこと(新卒の頃の話とか)を細かく書く必要はありません。
今の自分に関連する“武器”だけを選んで載せるイメージで十分です。
また、面接に臨んだ際、ツッコまれることも考えながら作成する必要もあります。
面接で聞かれることを色々妄想しておく(どんな役割だったのか?何に苦労したのか?その苦労をどう乗り越えたか?、等)ことも大事です。
✔ 営業職の場合:数字で魅せる
- ノルマ未達でも「前年比+10%」など、見せ方で印象は変わる
- アピールは「数値×役割」で
- 書きすぎず、面接で話す“余白”も残すのがポイント
✔ 非営業職の場合:「改善スタンス」+「責任範囲」を伝える
非営業部門は、つい「やったことの羅列」になりがちですが、
以下のような視点があると、書類全体の印象がぐっとよくなります。
- どの業務を自分が主担当として担っていたか
- 自分はどんな役割だったのか
- 決裁・判断への関与の度合い(責任範囲)
- 業務を通じてどんな課題を感じ、どんな改善をしたか
そして何より大事なのは、「どこにいっても、それを書けるように、日々の業務にあたること」。
課題のない職場はありません。
その課題を見て見ぬふりをするのか、気づいて動くのかで、数年後の評価が大きく変わります。
このスタンスは職務経歴書でも自然とにじみ出ます。
実績の大小ではなく、どう働いてきたかを伝えることが、結果的にその人の価値になると僕は思っています。
面接官は“書類を10分で読む”くらいのつもりで作る
現実的な話として、多くの面接官(特に、人事ではなく自身が配属される可能性のある部署のマネージャー等)は通常業務の合間に面接に入っています。
忙しい日には、直前10分で履歴書・職務経歴書にざっと目を通して面接に臨むなんてケースも普通にあります。
だからこそ――
- 伝えたいポイントは簡潔・明確に
- 文量は必要最低限に
- 読み流しても“印象に残る”構成に
これが大切です。
そしてこれは、日々の仕事にも通じる力です。
上司やクライアントに何かを提案するとき、書類を通じてロジカルに、簡潔に、説得力を持って伝えるスキルは必須。
職務経歴書には、そんな「仕事の基礎力」も表れていると感じます。
まとめ
転職書類はただの「事務作業」ではなく、その人の仕事観・姿勢・伝える力が詰まった書類です。
✔ 書類は最初にしっかり作り込む
✔ 履歴書は「清潔感とミスのなさ」で差がつく
✔ 職務経歴書では、「何をしたか」だけでなく「どう考えて取り組んだか」が問われる
✔ 面接官は多忙、10分で読み取れる構成にすることが現実的で重要
✔ 書類は、あなたの「仕事そのもの」のプレゼンツールになる
転職は一発勝負の世界ではありません。
だからこそ、一枚一枚の書類に**“自分の姿勢”を込めることが、次の扉を開く鍵**になると僕は思っています。
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