はじめに
中学受験と高校受験、どちらが正解? 多くの親御さんが悩まれることだと思いますが(特に首都圏だと)、我が家の結論は「その子と家庭による」というものです。 前回の記事では費用面の比較をしましたが、今回はもっと大事な“お金以外の要素”について考えてみたいと思います。
中学受験を目指すか、高校受験にするか。 その選択は、子どもの将来に大きな影響を与える可能性があるからこそ、慎重に、かつ柔軟に考えたいところです。
判断基準①:子どもの精神的な成熟度
中学受験は、小学4年~6年の間にかなりの負荷がかかります。 特に5~6年生になると、週4~5日の塾、膨大な家庭学習、模試の繰り返し。早朝や深夜に勉強している子も結構いると思います。
このような膨大な負担がある中、自己統制がある程度できるかどうかが極めて重要になると考えています。 言われなくても家庭学習をこなせるタイプの子であれば、中学受験も向いているかもしれません。
一方、そうではない子にとってはまさに地獄。親にガミガミ言われながら、とりあえずなんとかやる。でも成績は良くならない。そして怒られる、の地獄ループ。中には苦しくなって、宿題の答えを写して提出したり、最悪カンニング、なんて事態も起きたりしています。それが見つかって𠮟られた時には、完全に自己肯定感が破壊される訳です。
一方、この自己統制できるかどうかは、発達の状況にもよります。小5時点で10年かそこらしか生きていない小学生。ご存じの通り、身体的な発達然り、成長の度合いにはかなり差が出ているはずです。特に1月~3月の所謂「早生まれ」の子は特に遅れがちになるのが普通と思います。(もちろん例外の子もいるとは思います)
こうした発達の差は、一般的には高校生前後には徐々に解消されていくと言われています。(それでもまだ差は残っていると思いますが)よって、そうした未熟さがある程度埋まってきている中学生のタイミングで初めての受験(高校受験)に挑むのが適した子もたくさんいると考えています。うちの娘を高校受験にしたのも、まさにそれが一つ要因です。ただ、中学に入ると思春期であったり、反抗期であったり、別の障害も増えるため、成熟しているといってもうまくいかないリスクは多分にあると思っています。
判断基準②:算数への抵抗
算数が極端に苦手・嫌いな場合は、中学受験に注意が必要です。 というのも、中学受験の算数は小学校の授業内容を超えた、かなり難しい問題が多く出題されます。また、4科目受験とはいえ、実は算数の出来不出来がかなり大きなインパクトを与えるのが中学受験です。
算数もかなり得意不得意が分かれる科目ですが、苦手な子にとって、中学受験算数は学校でも習わない高難度の内容でどんどん進んでいくので地獄そのもの。スパイラル学習(何度も同じ単元が回ってくる)とは言え、ついていくことはかなり至難の業でますます勉強が嫌いになるリスクも……。 高校受験ルートの方が、時間をかけて基礎を積み上げていけるぶん、安心なケースもあります。特に中学数学の基盤、いや将来に渡る数的素養の基盤はやはり小学校の算数です。そこをじっくり固めていく方が良いケースも多いと思います。(これもうちの子に当てはまる)
判断基準③:習い事など熱中していることがあるか
例えば、スポーツや芸術系の習い事、本人が夢中になっていることがある場合。 小学校時代にしかできない/小学校時代の取り組みが大事なスポーツ等あると思います。
それらを無理やり辞めさせてまで中学受験に時間を割くと、そもそも本人にやる気の火がつかず中途半端な受験になるリスクもあるし、子供の気持ちに禍根が残るリスクもあると思います。
判断基準④:英語をやらせてみたときの反応
最近では、小学生のうちから英語学習を始めるご家庭も増えています。
算数等と比べ、英語に対する抵抗が少なく、比較的楽しく学べるようであれば、早稲アカKコースのような塾で、英語を先取りし、高校受験の武器にするのが良いと思います。高校受験は英語も極めて大事な科目と言われます。よって早期の英語開始で、周りのライバル対比大きなアドバンテージをもてる可能性が高くなると思います。中学受験は一部の制度を除き英語を武器にすることはできないです。要は中学受験とは別の戦い方をできるのが高校受験だと思っています。
逆に、英語に大きな抵抗がある場合は、焦って詰め込むより、高校受験以降でじっくり取り組む方が良いかもしれません。
判断基準⑤:高校受験の特徴(学校授業とのつながり)
高校受験(特に都立高校など)は、中学校の学習内容と受験が密接に関連しています。
一方、中学受験は小学校の範囲を大きく超えた内容が求められます。 そのため、「学校で勉強したことがちゃんと受験につながる」方が分かりやすいと感じる子にとっては、高校受験の方が自然に取り組みやすいかもしれません。
結局どう選ぶべき?
- 子どもの成熟度
- 家庭の状況(親の働き方、きょうだい構成)
- 教育方針や価値観
- 通学・生活スタイル
こうした観点をすり合わせて、無理のない形で進めることが何より大切です。
正直、「みんながやってるから」と焦って始めるのが一番危険。 子どもに合ってないルートを選ぶと、モチベーションが続かず、逆に学力が伸び悩むこともあります。
おわりに
中学受験 or 高校受験。 どちらにもメリットとリスクがあります。 だからこそ、情報収集と家庭内での対話が本当に大切だなと実感しています。
我が家もまだまだ試行錯誤中ですが、この記事が同じように悩むご家庭の参考になれば嬉しいです!
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