はじめに:報連相をナメていた自分へ
社会人になったばかりの頃、正直「報連相ってそんなに大事?」と軽く考えていた。でも実際は、ちょっとした報告の遅れが命取りになる場面が何度もあった。
新人〜若手時代も、コンサル時代も、自分の甘さが何度も“心臓バクバク”の状況を引き起こした。今回はそんな体験を通じて感じた「報連相の本当の意味」について書いてみたい。
若手時代:質問すべきタイミングを逃し続けた日々
社会人になりたての頃は、わからないことだらけなのに、質問すると「そんなことも知らないの?」という空気や、実際にキツい言葉が返ってくることもあった。だから萎縮して、聞くのが怖くなった。
特に、良い大学を出ていたりすると「バカだと思われたくない」という、つまらないプライドもあった。
結果的に、報告や相談がどんどん遅れていく。
たとえば、地銀時代にはこんなトラブルがあった:
- お客様に苦情を言われたが、すぐに上司に伝えられなかった
- お客様との書類のやりとりでミスがあり、ご迷惑をかけた
- 融資の相談を受けたが、他の事務に追われ後回しにしてしまい、信頼を損なった
自分の判断で先延ばしにした結果、状況が悪化し、後から大きな問題に発展。
「もっと早く言ってくれれば、こんなことにはならなかったのに」 その言葉が刺さった。
コンサル時代:プレゼン資料を出すタイミングで大失敗
ある意味プライドもあり、「ある程度作り込んでからレビューに出そう」と思っていた。だけど、上司に見せた瞬間に全体やり直し。
プレゼン資料の構成自体が違った。 目的や対象読者、ストーリーラインの組み立て。全部ズレてた。
今思えば、まずは上司に「目的の確認」、そして「全体の骨子レビュー」、そこから「ざっくりドラフト」→「肉付け」→「最終レビュー」にすべきだった。
早めに方向性をすり合わせれば、あんなに無駄な時間を使わずに済んだのに。
学び:報連相は“リスクヘッジ”であり“信頼構築”
そこから強く意識するようになったのは以下の2点:
- 悪い報告ほど早く:トラブルは早期対応で被害が最小化されるし、自分の精神衛生上も良い
- 経過報告・相談はこまめに:無駄が減るし、上司も安心する
正直、上司によっては「また相談かよ」と嫌な顔をされることもある。でも、報告しないリスクの方が圧倒的に大きい。
とにかく、怖くても、面倒でも、報連相は仕事の基本中の基本で、これができないと何も始まらない。報連相って昭和のにおいがするけど、令和の今でも絶対変わっていないと思う。
若い人は、肝に銘じてほしい。
今の自分:相談しやすい上司になりたい
今、自分がマネジメント側になってから心がけているのは、「話しかけやすい空気をつくること」。
報連相のしやすさって、実は上司側の態度にも大きく左右される。
過去の自分みたいに、相談することが怖くてどんどん孤立していく人を増やしたくない。だから、なるべくどんな報告・相談にも耳を傾けるようにしている。
おわりに:報連相は仕事の“技術”ではなく“姿勢”だった
「報連相は社会人の基本」とはよく言うけれど、やってみると本当に難しい。でも、経験を積めば積むほど、それが“人間関係の技術”であることに気づく。
報連相ができていれば、トラブルも減るし、信頼も得られる。
あの心臓バクバクの報告遅れを何度も経験したからこそ、今は「早く伝えること」「小さく確認すること」の大切さを伝えたいと思っている。
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