【転職シリーズ②】初回転職で“やらかした”話:判断ミスの原因と学び
はじめに:「最初の転職って、だいたい失敗する説」
転職って、最初の1回が一番難しい。
判断軸が甘かったり、「とにかく今の会社を出たい」が先行しがち。
自分の話も、まさにそれでした。
「キャリアに不安がある」→「でもどうしていいか分からない」→「とりあえず動いてみよう」――。
結果的に私は、**初めての転職で“やらかした”**わけですが、それでも「動いたこと自体には意味があった」と今は思っています。
転職前の私:キャリアの不安と“井の中の蛙”感
新卒で入った地方銀行で10年。法人営業から市場業務まで経験を積み、数字的な実績も残していました。
でも、ふとした瞬間に湧き上がったのは、**「このままじゃ、外で食っていける気がしない」**という不安でした。
異動は人事と上司次第。自分のキャリアは他人の都合で決まっていく――そんな閉塞感。
「もっと意思を持って働きたい」「自分でキャリアを選びたい」。その思いが、最初の転職活動の原動力でした。
入社した会社:グループ内の別会社。未知のカルチャーに踏み込んだ
転職先に選んだのは、もともとの金融グループとは別の大手金融グループのコンサル部門。
「コンサルだから厳しいのは当然」――そう覚悟していました。
でも、実際に配属された部門は想像とは違い、“古き良き日本企業”的な体質が根強く残るカルチャーでした。
- 上司の言うことは絶対(という空気)
- 言われたことをそのままやるのが正解
- 会議も根回しと忖度の嵐
- 夜中に仕事が終わったあとでも「飲みに行くぞ」が当たり前
直属の上司は、厳格というよりも理不尽なタイプで、何を言っても「聞け」の一点張り。
ロジックや対話よりも、“従属する姿勢”が求められるような雰囲気でした。
さらに、実際の業務も事前にイメージしていたものとは違っていました。
プロジェクトの偏りが大きく、自分が望むような案件にはなかなか関われないと感じたのも、退職を決めた理由のひとつです。
長くいても「こうなりたい」というスキルや経験が積めるイメージが湧かず、
「このままでは消耗するだけだ」と見切りをつけた部分もあります。
面接時には仕事内容についても確認していたつもりでしたが、終わってみれば都合の良い説明がされていたように感じたのも正直なところです。
自分が思い描いていた「フラットで論理的な環境」とは、かなりギャップがありました。
現実①:上司が完全に合わなかった(というか地獄)
「なぜそうなるのか」を聞いても、「黙ってやれ」が基本姿勢。
毎日終電か、それ以上。最長で朝4時退社も普通にあった。
しかも当時、私は結婚していて、妻が妊娠・出産のタイミングでした。
「この生活で本当に子育てできるのか?」と不安と焦りでいっぱいに。
今振り返っても、かなりメンタル的に追い詰められていた時期だったと思います。
現実②:「この職場、長く続けるのは無理」→10か月で退職
正直、「こんなに早く辞めていいのか」と迷いました。
でも、「ここで耐えたらキャリアが壊れる」という予感があった。
それでも「逃げたと思われるんじゃ…」という不安も大きかったし、何より子どもが生まれたばかりの状況で転職を繰り返す不安もありました。
でも、「今動かなかったらもっと悪化する」。その確信だけは強かった。
今だから言える:この転職で学んだこと
1. 上司との相性は「文化」で見るべき
一対一の相性じゃなく、組織全体の価値観やマネジメントスタイルを見る必要がある。
2. 「辞めたい理由」より「行きたい理由」が大事
あのときは「逃げたい」が先行していた。
「どんな環境なら力を発揮できるか?」を明確にしてから動くべきだった。
3. 企業の評判だけで判断せず、情報収集を怠らない
有名企業=自分に合うとは限らない。
私は**「ネームバリューに安心して、生の声を集める努力をしなかった」**ことを後悔しています。
4. コンサルを選んだ理由がふわっとしていた
「汎用的なスキルがつくから」――それは間違ってなかったけれど、“なぜそれが必要か”まで掘り下げて考えきれていなかった。
とはいえ、ロジカルシンキングや資料作成スキル、プレゼン力など、得たものも確かにあったのも事実です。
5. 面接での「案件内容」はしっかり詰めて聞くべきだった
「どんなプロジェクトに関われるのか」をもっと具体的に詰めて聞くべきだった。
実際はかなり偏りがあり、配属された部門では望む経験を積むのは難しいと感じた。
聞いていた内容と実態のズレを避けるためにも、質問は丁寧かつしつこいくらいがちょうどいいと痛感。
6. 最初の転職は“失敗してもいい”と割り切る強さも必要
たしかに失敗だった。でも、失敗が次の選択肢を広げてくれたのも事実。
まとめ:転職は「経験してみないとわからないことだらけ」
初回転職がうまくいかない人は、けっこう多いと思います。
私もその一人でした。
でも、それを次にどう活かすかが大事。
「失敗したこと」よりも、**「失敗から何を学んだか」**のほうが価値になる。
転職には“答え”はありません。でも、“経験”は確実に残ります。
次回予告:転職シリーズ③「安定と違和感のはざまで」へ
次は、金融に戻って「安定してきたな」と感じた時期の話。
それでもなぜ、また動こうとしたのか?
シリーズ③もお楽しみに。
コメント