はじめに
転職面接で必ず聞かれる質問――それが「志望動機」です。
自己紹介と並んで面接官が最も注目するこのパートで、あなたが「どれほど企業にマッチしているか」「本気でこの会社に入りたいと思っているか」を伝えることが求められます。
この記事では、企業側の視点も踏まえて「刺さる志望動機」の作り方を、構成方法・実例・NG例とともに具体的に解説します。
志望動機は“提案”である
志望動機とは、自分のキャリアや価値観と企業の方向性・ポジションをつなぎ合わせる「提案書」のようなものです。
単なる熱意アピールではなく、
- 自分のキャリアの軸・ストーリー
- 今回のポジションへの適合性
- なぜこの会社でなければならないか をロジカルに伝えることが重要です。
なぜなら、候補者の人生やキャリア観と企業や求人内容があっていなければ、早期退職になる可能性もあると考えられるからです。
志望動機の構成:3ステップで考える
① キャリアの方向性と価値観を伝える
- まず「自分は今後どんなキャリアを目指しているのか」を明確に。
- その軸に基づき、なぜ今このポジション・転職なのかを語る。
例:「将来的には管理部門全体を統括するポジションを目指しており、今回のように経営企画と総務を兼ねるポジションは、経験の幅を広げたいという自分の方向性に非常に合致していると感じました。」
② 経験を通じて貢献できることを伝える
- これまでの業務経験で得た強みを踏まえ、「自分がどう貢献できるか」を言語化。
- 抽象的にならず、職種ごとに活きるスキル・知見を結びつける。
③ 「この会社」である理由を明確にする
- 他社ではなくこの会社を選んだ理由は何か。
- 企業のHPやIR資料、社長メッセージなどから情報を得る。
- 口コミサイト(例:OpenWork)も参考にし、志望動機の補強材料を探すのも有効。
- さらに、調べた中で「課題になっていそうな点」があれば、自分の経験を活かせると示すことも有効。
「御社が提供する●●というサービスは、業界内でも独自性が高く、急成長フェーズにある点に魅力を感じました。また、自分自身もユーザーで、顧客目線をもって業務に向き合えると感じています。」
「会社の情報を拝見する中で、推測ではありますが、◯◯といった課題がありそうだと感じました。自分の過去の経験を活かせば、こうした課題の解決にも貢献できるのではと思いました。」
志望動機の実例(※事実ではありません)
「私はこれまで、管理部門を中心にキャリアを積んできました。将来的には、管理部門を横断的にマネジメントできる人材を目指しており、これまで経理・財務・経営企画を経験してきました。
今回のポジションは、まだ経験の浅い総務領域にも関われる点で、自分のキャリア志向に合致していると考えています。
また、御社のように変化が激しく成長著しい業界では、守りの要である管理部門の役割はより重要になると感じています。中でも御社は、●●というサービスを軸に急成長しており、そのスピード感や戦略性に強く共感しました。また、自身もユーザーで本当に良いサービスと感じており、世の中に一層広めることに貢献できればと考えております。
HPやIR資料を拝見する中で、社員の主体性を重視する社風にも惹かれ、御社であれば自分の経験を活かして貢献できると確信し、応募いたしました。
さらに、情報を調べる中で◯◯といった課題がありそうだと感じました。これまでの経験を活かして、こうした課題の解決にも貢献できるのではと考えております。」
よくあるNG例と対処法
NGパターン | なぜNGか |
---|---|
「給与水準が高いから」 | 自分本位で、企業貢献への視点が欠けている |
「残業が少なそうだから」 | あまり働く意欲を感じさせず、融通が利かなそうな印象を与える(ただし、会話の中でそれとなく家族のことを仄めかすなど、プライベートも大事にしていることは間接的に伝えるのは良い。) |
「福利厚生が良いから」 | 給与と同様、会社や事業への関心というより、条件面だけで選んでいるように見える |
「何となく雰囲気が良さそう」 | 情報収集が浅く、志望度が低いと思われがち |
→ 対処法としては、表面的な条件ではなく「自分のキャリア軸と企業との接点」「具体的に惹かれた事業や理念」に言い換えることが有効です。
おわりに
志望動機は、転職理由やキャリアビジョン、企業研究すべての要素が集約される場面です。
「この会社のこのポジションだからこそ、私は貢献できる」と明確に伝えることができれば、面接官にとって強い印象を残せます。
事前準備を丁寧に行い、熱意と論理のバランスを意識して志望動機を作り込みましょう。
次回は「面接での逆質問」の活用法について解説予定です。
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